生きるために死んだふりをする

動物の昔話によくある出来事に「生きるために死んだふりをする」ということがあります。生きるためというのは、食べ物を手に入れる・危険な場所から逃げる、などです。

この出来事を使って新しい物語を考えるツールも少し用意しました。登場者を入れ替え&それ以前・その後を考えるための穴埋め文、この出来事を含めた三題噺のお題です。

そだひさこ
そだひさこ

こんな顔でごめんなさいね。

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昔話でよくある出来事:生きるために死んだふりをする

話型:魚泥棒

キツネが死んだふりをして倒れていると、荷車を引いた漁師がキツネを見つけ、キツネを荷車の上に放り投げる。キツネは荷車から魚をとって逃げる。
 オオカミが真似をして倒れていると、漁師はオオカミを捕まえてさんざん殴る。

類話:動物が死んだふりをして、食べ物が入った籠を持った男の注意をそらす。そのすきに、別の動物が籠を盗む。または、食べ物が落ちるように籠に穴を開ける。

国際昔話話型カタログ p.15 を参照し、まとめました。

話型:オオカミが地下貯蔵室で食べすぎる(の、類話部分)

キツネは太って地下貯蔵庫から出られなくなったので、死んだふりをする。その結果、キツネは逃げることができる。

国際昔話話型カタログ p.33 を参照し、まとめました。

別の物語を作るネタをさがしてみる

登場者、アイテム、方法などのバリエーション

講談師
講談師

昔話では、登場者やアイテムや方法は語り伝えられている土地によって色々に変化しています。
同じような出来事が、登場者やアイテムや方法を変えて、その土地の人々の文化や心にしっくりする形に変化しながら語り継がれたようです。

同じ役割をする登場者やアイテムや方法」などのバリエーション(カタログに記載のあるもの)をここでご紹介します。

バリエーション

  • キツネ → 野ウサギ、穴ウサギ、コヨーテ、ジャッカル
  • オオカミ → 熊、キツネ、コヨーテ、ハイエナ
  • 魚 → チーズ、バター、肉、パン、お金

この他にも土地や語り手により、登場者やアイテム、方法や結果に色々変化があるかと思います。

穴埋め文にして、別の話を考えてみる

昔話は、いくつもの話の中で、出来事は同じように繰り返されますが、登場者やアイテムや方法は変化します

この登場者やアイテムの部分を色々入れ替えると、まるで違う物語ができそうです。入れ替えが考えやすいように、穴埋め文にしてみました。

ついでにその前後の出来事も考えるようにすれば、話を想像しやすくなると思います。演繹法・帰納法ですね。

もぐら先生
もぐら先生

本来、演繹法・帰納法という言葉は論理的思考(ロジカル・シンキング)でよく登場する言葉です。

そして演繹法・帰納法という言葉はストーリーを考えるときにもよく使われます。ただしそのときには、本来とは少し違う意味を持って使われているようです。

じぃじと孫
じぃじと孫

物語を考えるときには、その後を考えるのが演繹法、それ以前を考えるのが帰納法だね。

こんな穴埋め文を考えてみました。

穴埋め文
  • (   )が死んだふりをしている。それからどうなるかというと、(   )。
  • (   )が死んだふりをしている。なぜそうなったかというと、(   )。

:登場者を泥棒にしてみた

ばぁばたち
ばぁばたち

泥棒が死んだふりをしている。それからどうなるかというと、そのまま埋葬されてしまうの。
棺桶に入れられて、埋められた後、夜になってからどうにかこうにか抜け出すのよ!

じぃじたち
じぃじたち

泥棒が死んだふりをしている。なぜそうなったかというと、間抜けな警官に見つかったからだ。
死んだふりをしていればこの場をしのげるかもしれないと思ったんだな。ははは。

おばさんたち
おばさんたち

泥棒が死んだふりをしている。なぜそうなったかというと、まわりに死体があふれていたから、そこに紛れて追手の目をごまかそうとしているのよ。
 
でも、その死体がもしウイルスを持っていたら大変だわ。

母と男の子
母と男の子

泥棒が死んだふりをしている。それからどうなるかというと、泥棒は急に大声で叫びながら飛び起きるの。

まわりにいた人たちは死んでいたはずの泥棒が叫んで動き出したからびっくりして、荷物を置いたままぴゅーって逃げていくのよ。

泥棒は、泥棒し放題ってわけね。

ばぁばと孫
ばぁばと孫

泥棒が死んだふりをしている。それからどうなるかというと、なかなか死んだふりをやめるチャンスが来なくてな、ずーっとずーっと死んだふりをしていたもんだから、腹が減って本当に死んでしまったんだよ。

生きるために死んだふりをしていたはずなのになぁ。

そだひさこ
そだひさこ

ばぁば、怖い話はやめてくださいよ。

三題噺の素材にしてみる

落語家
落語家

3つの言葉を使ってひとつの話を作る「三題噺」というものがあります。

発祥は落語で、落語では「人物・品物・場所」を使います。

ただこのサイトは出来事がテーマなので、三題のひとつを出来事にしてみます。

こんな三題を考えてみました。

三題噺のお題
  • 死んだふり、漁師、魚 (もとの話型のとおり)
  • 死んだふり、漁師、お金 (もとの話型のアイテムのバリエーション)
  • 死んだふり、王様、パン (まるで関係ないものを入れてみた)

含まれている登場者が主人公にされやすい(?)と思うので、あえて動物ではなく人物を入れてみました。

三題噺の言葉選びについては、別サイトに用意した「三題噺スイッチ」もご利用ください。
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含まれている話型(例)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録を参考に記事を書いているので、カタログの話型を記しておきます。また、含まれている話型すべてではありません。多数の場合は3つくらいを記すにとどめています。

話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.1
話型タイトル魚泥棒
一般的なタイトル
日本に類話は?ある
死んだふりをして食べ物を手に入れる
話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.41
話型タイトルオオカミが地下貯蔵室で食べ過ぎる
一般的なタイトル
日本に類話は?ある
死んだふりをして危険な状態から脱出する

参考文献(出典)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録
ハンス=イェルク・ウター 著
加藤耕義 訳
小澤俊夫 日本語版監修
小澤昔ばなし研究所

他は概要をご覧ください。

まとめ

昔話によくある出来事「生きるために死んだふりをする」を、話型とともにご紹介しました。

動物の死んだふりについて、興味深い記事を見つけたのでご紹介しておきます!

さらに、別の物語を作るために、登場者やアイテムのバリエーション・穴埋め文・三題噺のお題を考えてみました。

穴埋め文では吹き出しの中の人たちがおかしなことを言っていますが、嘘話、おとぎ話を考えているのだと思ってスルーしてくださいますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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