けがをしたふりをする

動物の昔話によくある出来事に「けがをしたふりをする」ということがあります。

この出来事を使って新しい物語を考えるツールも少し用意しました。登場者を入れ替え&それ以前・その後を考えるための穴埋め文、この出来事を含めた三題噺のお題です。

そだひさこ
そだひさこ

こんな顔でごめんなさいね。

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昔話でよくある出来事:けがをしたふりをする

話型:けがしたふり

キツネが、乳状のものを頭に塗り、脳みそが出るほどの大けがをしたと、オオカミに思い込ませる。

国際昔話話型カタログ p.18 を参照し、まとめました。

話型:オオカミがキツネに食べ物をやる

キツネがオオカミを「鶏小屋」に入り込ませ、鶏たちを外に放り出させる。するとキツネは犬たちにそれを告げ、犬たちはオオカミを襲う。キツネは鶏を持って逃げる。
 その後、キツネは、自分がオオカミよりひどくやられたふりをする。

国際昔話話型カタログ p.18 を参照し、まとめました。

話型:病気の動物が健康な動物を運ぶ

キツネはけがをしたふりをして、本当にけがをしているオオカミに自分を背負わせる。キツネは「♪病気の動物が健康な動物を運ぶ」と歌う。オオカミが意味をたずねると、キツネは言葉を入れ替える。または、犬が追いかけてくると言ってオオカミを脅す。

国際昔話話型カタログ p.18-19 を参照し、まとめました。

別の物語を作るネタをさがしてみる

登場者、アイテム、方法などのバリエーション

講談師
講談師

昔話では、登場者やアイテムや方法は語り伝えられている土地によって色々に変化しています。
同じような出来事が、登場者やアイテムや方法を変えて、その土地の人々の文化や心にしっくりする形に変化しながら語り継がれたようです。

同じ役割をする登場者やアイテムや方法」などのバリエーション(カタログに記載のあるもの)をここでご紹介します。

バリエーション

  • 乳状のもの → バターミルク、ヨーグルト、チーズ、クリーム、パン生地
  • オオカミ → 熊
  • 鶏小屋 → 家畜小屋
  • 鶏たち → 子羊たち
  • 「♪病気の動物が健康な動物を運ぶ」 → 「♪叩きのめされたやつが、叩きのめされていないやつを運ぶ」

この他にも土地や語り手により、登場者やアイテム、方法や結果に色々変化があるかと思います。

穴埋め文にして、別の話を考えてみる

昔話は、いくつもの話の中で、出来事は同じように繰り返されますが、登場者やアイテムや方法は変化します

この登場者やアイテムの部分を色々入れ替えると、まるで違う物語ができそうです。入れ替えが考えやすいように、穴埋め文にしてみました。

ついでにその前後の出来事も考えるようにすれば、話を想像しやすくなると思います。演繹法・帰納法ですね。

もぐら先生
もぐら先生

本来、演繹法・帰納法という言葉は論理的思考(ロジカル・シンキング)でよく登場する言葉です。

そして演繹法・帰納法という言葉はストーリーを考えるときにもよく使われます。ただしそのときには、本来とは少し違う意味を持って使われているようです。

じぃじと孫
じぃじと孫

物語を考えるときには、その後を考えるのが演繹法、それ以前を考えるのが帰納法だね。

こんな穴埋め文を考えてみました。

穴埋め文
  • (   )がけがをしたふりをしている。それからどうなるかというと、(   )。
  • (   )がけがをしたふりをしている。なぜそうなったかというと、(   )。

:登場者を村長にしてみた

ばぁばたち
ばぁばたち

村長がけがをしたふりをしている。それからどうなるかというと、心配した村人がつぎつぎとお見舞いに来てくれるのよ。そして、何年も前にけんかしたままになっていた古い友人も来てくれたのよ。

村長は泣いてよろこんで、ケガしたふりを忘れて走り寄ったもんだから、また変な感じになっちゃってね…

母と女の子
母と女の子

村長がけがをしたふりをしている。なぜそうなったかというと、鬼を倒しに行かなければならなかったんだけど、行くのが嫌だったのよね。

で、村長の代わりに鬼を倒しに行った若者が、鬼にとらわれていた美しい娘を救い出して、若者と娘は結婚するの。

 

村長は「自分はもう女房がいるから別に…」とかなんとか、わけのわからないひとりごとをいってたんですって。

おじさんたち
おじさんたち

村長がけがをしたふりをしている。なぜそうなったかというと、みんなで病気のふりをする「仮病の日」だったからだよ。

これの何が困るかっていうと、本当に病気の人まで仮病だと思われるだろ。こんなふざけた日を作ったやつはどうにかなっちまえばいいんだ。

おばさんたち
おばさんたち

村長がけがをしたふりをしている。それからどうなるかというと、大変よ、「村長にけがをさせたのは私です、どうかお詫びをさせてください」っていう人があらわれたのよ。

村長の部下たちはその人を村長のところに連れてきたの。するとその人は村長の耳元でこっそり「私は、知ってますよ」といったの。

  

ドキドキするわね…

ばぁばと孫
ばぁばと孫

村長がけがをしたふりをしている。それからどうなるかというと、村長のけがを治すためにすごい名医がやってくるんだよ。

村長は困ってしまって、こりゃ本当にけがをするしかないと思って、屋根の上から庭に飛び降りたんだ。ちょっと骨折でもすればいいと思ったんだろうが、運の悪いことに、庭石に頭をぶつけて死んでしまったんだ。

 

仮病なんてすると、ろくなことはないんだよ。

そだひさこ
そだひさこ

ばぁば、怖い話はやめてくださいよ。

三題噺の素材にしてみる

落語家
落語家

3つの言葉を使ってひとつの話を作る「三題噺」というものがあります。

発祥は落語で、落語では「人物・品物・場所」を使います。

ただこのサイトは出来事がテーマなので、三題のひとつを出来事にしてみます。

こんな三題を考えてみました。

三題噺のお題
  • けがをしたふり、キツネ、歌 (もとの話型のとおり)
  • けがをしたふり、鶏、雨 (まるで関係ないものを入れてみた)
  • けがをしたふり、シェフ、鉛筆 (まるで関係ないものを入れてみた)
三題噺の言葉選びについては、別サイトに用意した「三題噺スイッチ」もご利用ください。
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含まれている話型(例)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録を参考に記事を書いているので、カタログの話型を記しておきます。また、含まれている話型すべてではありません。多数の場合は3つくらいを記すにとどめています。

話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.3
話型タイトルけがしたふり
一般的なタイトル
日本に類話は?ある
脳みそ出ちゃったってやつ
話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.3*
話型タイトルオオカミがキツネに食べ物をやる
一般的なタイトル
日本に類話は?ない
鶏小屋から鶏を放り出させるやつ
話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.4
話型タイトル病気の動物が健康な動物を運ぶ
一般的なタイトル
日本に類話は?ない
けがをしているオオカミに自分を背負わせるやつ

参考文献(出典)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録
ハンス=イェルク・ウター 著
加藤耕義 訳
小澤俊夫 日本語版監修
小澤昔ばなし研究所

他は概要をご覧ください。

まとめ

昔話によくある出来事「けがをしたふりをする」を、話型とともにご紹介しました。

さらに、別の物語を作るために、登場者やアイテムのバリエーション・穴埋め文・三題噺のお題を考えてみました。

穴埋め文では吹き出しの中の人たちがおかしなことを言っていますが、嘘話、おとぎ話を考えているのだと思ってスルーしてくださいますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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