口にくわえていたものをうっかり落とす

動物の昔話によくある出来事に「口にくわえていたものをうっかり落とす」ということがあります。キツネ・オオカミや鳥など、獲物を手で持たずに口でくわえる動物が主人公です。

この出来事を使って新しい物語を考えるツールも少し用意しました。登場者を入れ替え&それ以前・その後を考えるための穴埋め文、この出来事を含めた三題噺のお題です。

そだひさこ
そだひさこ

こんな顔でごめんなさいね。

スポンサーリンク

昔話でよくある出来事:口にくわえていたものをうっかり落とす

話型:木の根にかみつく

オオカミがキツネを追って、脚にかみつく。キツネは「おまえがくわえているのは木の根っこだ」という。するとオオカミはキツネを放す。キツネは逃げる。

国際昔話話型カタログ p.19 を参照し、まとめました。

話型:ほかの動物を捕まえた動物が、口をきくよう仕向けられる

キツネが、鶏を捕まえて食べようとしている。鶏がキツネに質問をすると彼はそれに答え、結果、キツネは鶏を放し、鶏は逃げる。

国際昔話話型カタログ p.20 を参照し、まとめました。

話型:ほかの動物を捕まえた動物が、獲物をくわえたまま話す

オオカミはガチョウを、キツネは鶏を捕まえる。キツネがオオカミに質問をすると彼は答えるために口を開き、ガチョウは逃げる。次にオオカミがキツネに質問をするが、彼は獲物を逃さないように答える。

国際昔話話型カタログ p.20 を参照し、まとめました。

別の物語を作るネタをさがしてみる

登場者、アイテム、方法などのバリエーション

講談師
講談師

昔話では、登場者やアイテムや方法は語り伝えられている土地によって色々に変化しています。
同じような出来事が、登場者やアイテムや方法を変えて、その土地の人々の文化や心にしっくりする形に変化しながら語り継がれたようです。

同じ役割をする登場者やアイテムや方法」などのバリエーション(カタログに記載のあるもの)をここでご紹介します。

バリエーション

  • オオカミ → 熊、犬、トラ
  • キツネ → サギ、カメ、ジャッカル、オオカミ
  • 鶏 → カラス、鳥、ハイエナ、羊、など

この他にも土地や語り手により、登場者やアイテム、方法や結果に色々変化があるかと思います。

穴埋め文にして、別の話を考えてみる

昔話は、いくつもの話の中で、出来事は同じように繰り返されますが、登場者やアイテムや方法は変化します

この登場者やアイテムの部分を色々入れ替えると、まるで違う物語ができそうです。入れ替えが考えやすいように、穴埋め文にしてみました。

ついでにその前後の出来事も考えるようにすれば、話を想像しやすくなると思います。演繹法・帰納法ですね。

もぐら先生
もぐら先生

本来、演繹法・帰納法という言葉は論理的思考(ロジカル・シンキング)でよく登場する言葉です。

そして演繹法・帰納法という言葉はストーリーを考えるときにもよく使われます。ただしそのときには、本来とは少し違う意味を持って使われているようです。

じぃじと孫
じぃじと孫

物語を考えるときには、その後を考えるのが演繹法、それ以前を考えるのが帰納法だね。

こんな穴埋め文を考えてみました。

穴埋め文
  • (   )が口にくわえていたものをうっかり落とす。それからどうなるかというと、(   )。
  • (   )が口にくわえていたものをうっかり落とす。なぜそうなったかというと、(   )。

:登場者を犬にしてみた

おじさんたち
おじさんたち

犬が口にくわえていたボールをうっかり落とす。それからどうなるかというと、猫チームのランナーが次々にホームインして点が入り、犬チームの負けだな。

じぃじたち
じぃじたち

犬が口にくわえていたボールをうっかり落とす。なぜそうなったかというと、飼い主がいつまでも犬に声をかけなかったもんだから、犬はボールをくわえた口がぶるぶるして力が入らなくなってしまったんだ。

 

おれも、先生に廊下に立たされて、そのまま放課後まで忘れられてたことがあるよ。思い出したくないねぇ。

母と男の子
母と男の子

犬が口にくわえていたボールをうっかり落とす。それからどうなるかというと、そのボールはころころ転がって、地面の穴に落ちちゃったの。犬がその穴に入ってみると、そこにはお地蔵さんがいてね、ボールはどこにもなかったの。

犬が「お地蔵さん、ぼくが落としたボールを知りませんか」ときくと、お地蔵さんは、「ああ、うまかったよ、ごちそうさん」と言ったの。

 

食べちゃったのね、ボール。

おばさんたち
おばさんたち

犬が口にくわえていたボールをうっかり落とす。なぜそうなったかというと、超おいしそうな肉を見つけたからよ。犬はボールを振り捨てて、肉にとびついたのよ。

当然よね。ボールより肉よ。

ばぁばと孫
ばぁばと孫

犬が口にくわえていたボールをうっかり落とす。それからどうなるかというと、そのボールは犬が大冒険の末にやっと見つけた宝のボールだったから、あわてて探しに行ったんだ。そして、まだ帰ってこないんだよ。

 

もう何十年も前の話だよ。飼い主ももうとっくにあの世に行っちまってな…

そだひさこ
そだひさこ

ばぁば、怖い話はやめてくださいよ。

三題噺の素材にしてみる

落語家
落語家

3つの言葉を使ってひとつの話を作る「三題噺」というものがあります。

発祥は落語で、落語では「人物・品物・場所」を使います。

ただこのサイトは出来事がテーマなので、三題のひとつを出来事にしてみます。

こんな三題を考えてみました。

三題噺のお題
  • 口にくわえていたものをうっかり落とす、キツネ、鶏 (もとの話型のとおり)
  • 口にくわえていたものをうっかり落とす、熊、カラス (もとの話型のアイテムのバリエーション)
  • 口にくわえていたものをうっかり落とす、お姫様、指輪 (まるで関係ないものを入れてみた)

含まれている登場者が主人公にされやすい(?)と思うので、あえて動物だけではなく人物も入れてみました。

三題噺の言葉選びについては、別サイトに用意した「三題噺スイッチ」もご利用ください。
スポンサーリンク

含まれている話型(例)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録を参考に記事を書いているので、カタログの話型を記しておきます。また、含まれている話型すべてではありません。多数の場合は3つくらいを記すにとどめています。

話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.5
話型タイトル木の根にかみつく
一般的なタイトル
日本に類話は?ない
捕まっている動物が、お前がくわえているのは木の根っこだという
話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.6
話型タイトルほかの動物を捕まえた動物が、口をきくよう仕向けられる
一般的なタイトル
日本に類話は?ある
くわえている獲物に質問されてうっかり答える
話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.6*
話型タイトルほかの動物を捕まえた動物が、獲物をくわえたまま話す
一般的なタイトル
日本に類話は?ない
ガチョウをくわえているオオカミがキツネに質問される

参考文献(出典)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録
ハンス=イェルク・ウター 著
加藤耕義 訳
小澤俊夫 日本語版監修
小澤昔ばなし研究所

他は概要をご覧ください。

まとめ

昔話によくある出来事「口にくわえていたものをうっかり落とす」を、話型とともにご紹介しました。

さらに、別の物語を作るために、登場者やアイテムのバリエーション・穴埋め文・三題噺のお題を考えてみました。

穴埋め文では吹き出しの中の人たちがおかしなことを言っていますが、嘘話、おとぎ話を考えているのだと思ってスルーしてくださいますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました