美しくしてやると言って痛めつける

動物の昔話によくある出来事に「美しくしてやると言って痛めつける」ということがあります。美しくしてやるではなく、「治してやる」のこともあります。

この出来事を使って新しい物語を考えるツールも少し用意しました。登場者を入れ替え&それ以前・その後を考えるための穴埋め文、この出来事を含めた三題噺のお題です。

そだひさこ
そだひさこ

こんな顔でごめんなさいね。

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昔話でよくある出来事:美しくしてやると言って痛めつける

話型:にせの美容治療

キツネが熊に、鳥たちに色を塗ったのは自分だと言う。熊は自分もやってもらいたがる。キツネは熊に、地面の穴にピッチを入れさせ、その上に木を横たえさせ、その木に熊を縛り付け、穴で火を焚く。熊はやけどを負う。

類話:キツネが熊を別の方法で痛めつける。「美しくしてやる」「治療してやる」と言って、焼けた石を押し当てる・沸騰したお湯をかける・頭や尻尾の毛を剃る・火かき棒で目をえぐり出す。

国際昔話話型カタログ p.21 を参照し、まとめました。

話型:キツネが焼けた熊の骨でトナカイを買う

後日談のような話型があったので、ついでにご紹介。

キツネが、熊の焼けた骨を集めて袋に入れる。キツネはお金のように骨をじゃらじゃら鳴らして、その袋とトナカイを交換する。

国際昔話話型カタログ p.21 を参照し、まとめました。

別の物語を作るネタをさがしてみる

登場者、アイテム、方法などのバリエーション

講談師
講談師

昔話では、登場者やアイテムや方法は語り伝えられている土地によって色々に変化しています。
同じような出来事が、登場者やアイテムや方法を変えて、その土地の人々の文化や心にしっくりする形に変化しながら語り継がれたようです。

同じ役割をする登場者やアイテムや方法」などのバリエーション(カタログに記載のあるもの)をここでご紹介します。

バリエーション

  • キツネ → ジャッカル、人間、穴ウサギ、カメ
  • 熊 → オオカミ、ライオン、ヤギ、フクロネズミ、鬼
  • やけどを負う → けがをする、死ぬ
  • 美しくしてやる → 治療してやる
  • トナカイ → 馬

この他にも土地や語り手により、登場者やアイテム、方法や結果に色々変化があるかと思います。

穴埋め文にして、別の話を考えてみる

昔話は、いくつもの話の中で、出来事は同じように繰り返されますが、登場者やアイテムや方法は変化します

この登場者やアイテムの部分を色々入れ替えると、まるで違う物語ができそうです。入れ替えが考えやすいように、穴埋め文にしてみました。

ついでにその前後の出来事も考えるようにすれば、話を想像しやすくなると思います。演繹法・帰納法ですね。

もぐら先生
もぐら先生

本来、演繹法・帰納法という言葉は論理的思考(ロジカル・シンキング)でよく登場する言葉です。

そして演繹法・帰納法という言葉はストーリーを考えるときにもよく使われます。ただしそのときには、本来とは少し違う意味を持って使われているようです。

じぃじと孫
じぃじと孫

物語を考えるときには、その後を考えるのが演繹法、それ以前を考えるのが帰納法だね。

こんな穴埋め文を考えてみました。

穴埋め文
  • (   )が「美しくしてやる」と言ってxxxを痛めつける。それからどうなるかというと、(   )。
  • (   )が「美しくしてやる」と言ってxxxを痛めつける。なぜそうなったかというと、(   )。

:登場者を国王に、xxxを大臣にしてみた

ばぁばたち
ばぁばたち

国王が「美しくしてやる」と言って大臣を痛めつける。それからどうなるかというと、痛い目にあった大臣は国王に仕返しをする。するとまた国王は大臣に…

平和な国だよねぇ。

じぃじたち
じぃじたち

国王が「美しくしてやる」と言って大臣を痛めつける。なぜそうなったかというと、大臣はもともと美人なのに、もっともっと美人になろうとしてばかりいて、大臣の仕事をしなかったからだ。

怒った国王が、大臣をクビにするまえに懲らしめたんだな。

おばさんたち
おばさんたち

国王が「美しくしてやる」と言って大臣を痛めつける。なぜそうなったかというと、大臣は昔、美しかった国王をねたんで顔に熱湯をかけたからよ。国王はやけどを負って、顔の半分を長い黒髪で隠しているの。

大臣は、国王が昔自分が熱湯をかけた相手だとは気づいていないのよ。

母と男の子
母と男の子

国王が「美しくしてやる」と言って大臣を痛めつける。それからどうなるかというと、苦しんでいる大臣をみていた国王はだんだん可愛そうになって、痛めつけるのをやめるのよ。

けど大臣は「やめないでください。自分はまだ美しくなっていない。美しくしてください!」って国王に泣いて頼むの。

 

国王はこのあとどうするのかしらね。

ばぁばと孫
ばぁばと孫

国王が「美しくしてやる」と言って大臣を痛めつける。それからどうなるかというと、大臣は、痛めつけられはしたものの、本当に美しくなってしまうんだよ。

国王は驚いて、自分も同じように美しくなろうとするんだが、失敗して死んでしまうんだ。

 

人をだまそうとすると、自分がその罠にはまって身を滅ぼすものなのさ。

そだひさこ
そだひさこ

ばぁば、怖い話はやめてくださいよ。

三題噺の素材にしてみる

落語家
落語家

3つの言葉を使ってひとつの話を作る「三題噺」というものがあります。

発祥は落語で、落語では「人物・品物・場所」を使います。

ただこのサイトは出来事がテーマなので、三題のひとつを出来事にしてみます。

こんな三題を考えてみました。

三題噺のお題
  • 美しくしてやると言って痛めつける、キツネ、熊 (もとの話型のとおり)
  • 美しくしてやると言って痛めつける、人間、鬼 (もとの話型のアイテムのバリエーション)
  • 美しくしてやると言って痛めつける、カラス、人形 (まるで関係ないものを入れてみた)

含まれている登場者が主人公にされやすい(?)と思うので、あえて動物だけではなく人物も入れてみました。

三題噺の言葉選びについては、別サイトに用意した「三題噺スイッチ」もご利用ください。
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含まれている話型(例)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録を参考に記事を書いているので、カタログの話型を記しておきます。また、含まれている話型すべてではありません。多数の場合は3つくらいを記すにとどめています。

話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.8
話型タイトルにせの美容治療
一般的なタイトル
日本に類話は?ない
キツネが熊に「美しくしてやる」と言ってだます
話型カテゴリ動物昔話>野獣>賢いキツネ(その他の動物)
話型No.8*
話型タイトルキツネが焼けた熊の骨でトナカイを買う
一般的なタイトル
日本に類話は?ない
後日談てきな

参考文献(出典)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録
ハンス=イェルク・ウター 著
加藤耕義 訳
小澤俊夫 日本語版監修
小澤昔ばなし研究所

他は概要をご覧ください。

まとめ

昔話によくある出来事「美しくしてやると言って痛めつける」を、話型とともにご紹介しました。(これってオオカミはよほど悪い奴なんでしょうね…。でないと気の毒すぎます。)

さらに、別の物語を作るために、登場者やアイテムのバリエーション・穴埋め文・三題噺のお題を考えてみました。

穴埋め文では吹き出しの中の人たちがおかしなことを言っていますが、嘘話、おとぎ話を考えているのだと思ってスルーしてくださいますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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