赤頭巾(昔話話型333)のあらすじと、筋書きのアレンジ

昔話の話型「赤頭巾」のご紹介です。

そだひさこがこの話型を再構成した筋書きもご紹介しています。私は昔話をアレンジする遊びが好きなのですが、作品にできないまま誰にも楽しんでもらえないのが忍びなくて。

ご自身の創作の試案にしたり、この筋書きをそのまま使って作品を作ったりなど、ご自由にお使いください。私自身もそのうちこれで作品をかきます。

そだひさこ
そだひさこ

こんな顔でごめんなさいね。

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魔法昔話の話型:赤頭巾

登場者たちと、とくべつな品物

  • 赤頭巾(赤い帽子をかぶっている小さな少女)
  • 森に住んでいる祖母
  • オオカミ
  • 狩人
  • ケーキを焼こうとしている女(母親)

あらすじをタイムラインで

類話が2つあるので、合計3つのあらすじを紹介します。

「赤頭巾」のあらすじ
  • 赤頭巾が森に住んでいる祖母の家に向かう

    道草をしないように注意される。オオカミに行き先を知られる。

  • オオカミが先回りする

    オオカミは祖母を呑みこむ。オオカミは変装してベッドに入る。

  • 赤頭巾が祖母の家に着く

    赤頭巾は祖母がオオカミではないかと疑う。なぜそんなに耳が大きいのか、目が、手が、口がとたずねる。オオカミは赤頭巾を食う。

  • 狩人がオオカミを殺す

    狩人がオオカミの腹を切って、祖母と赤頭巾を救い出す。

  • オオカミの腹に石を詰める

    オオカミは溺れ死ぬ。

「赤頭巾(類話)」のあらすじ
  • 赤頭巾が森に住んでいる祖母の家に向かう

  • 赤頭巾はオオカミより先に祖母の家に着く

    オオカミは屋根に上り、赤頭巾が出てくるのを待つ

  • 祖母がソーセージをゆでる

    熱いゆで汁を、家の前の大桶に入れるよう赤頭巾に指示する

  • オオカミが匂いに誘われる

    オオカミは屋根から落ちて溺れる

「赤頭巾(イタリアの類話)」のあらすじ
  • 母親がケーキを焼こうとする

    娘に平鍋を借りに行かせる

  • 鬼が平鍋を貸してくれる

    鬼は、ケーキとワインを持って戻って来てと頼む。

  • 娘は鬼のところに戻る途中、ケーキとワインをたいらげてしまう

    娘は代わりに馬のふんと小便を入れる。

  • 鬼がこの悪さに怒る

    鬼は娘を家まで追いかけ、娘を食う。

国際昔話話型カタログ p.187-188 「333. 赤頭巾」を参照し、まとめました。

狩人がオオカミを殺した後に、石を詰めてまた殺してるので、あれ?と思いました。が、さほど重大なことでもないような気もします。

私もこの話をはじめて知ったとき、狩人がオオカミを撃ったのでオオカミは死んだのだと思いました。そのあと腹に石を詰められて縫い合わされたので生き返り(?)、川へ行って落ちてまた死んだのだと思いました。「死んで、生き返って、死んだ。??」って思ったのを覚えてます。

類話は、一度目にオオカミの腹から助け出されたあとにオオカミが逃げて、その後このように続く話を読んだことがあります。

イタリアの類話は、まあ汚い話ですけど、イタリアの昔話にはわりと多いのかな?という印象を私は感じます。(日本にはおならの話が多い気がします。)

登場者、アイテム、方法などのバリエーション

講談師
講談師

昔話では、登場者やアイテムや方法は語り伝えられている土地によって色々に変化しています。
同じような出来事が、登場者やアイテムや方法を変えて、その土地の人々の文化や心にしっくりする形に変化しながら語り継がれたようです。

同じ役割をする登場者やアイテムや方法」などのバリエーション(カタログに記載のあるもの)をここでご紹介します。

バリエーション

  • 祖母を呑みこむ → 祖母の血をグラスに入れ、祖母の肉を鍋に入れる
  • 赤頭巾が祖母の家に着く → 血を飲み、肉を食べ、ベッドに入らなければならない
  • 溺れ死ぬ → 落ちて死ぬ
  • 鬼 → 魔女、オオカミ
  • 娘を食う → 家にはいれない、母親にだまされる

この他にも土地や語り手により、登場者やアイテム、方法や結果に色々変化があるかと思います。

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ちょっとアレンジしてみた

アレンジを2つ。

ひとつめはアレンジというか、いつか読んだものほぼそのままです。(^^; 
ふたつめは、以前読んだイタリアの昔話「はらぺこピエトリン」を思い出しながら書きました。

「赤頭巾」のアレンジ
  • 赤頭巾が森に住んでいる祖母の家に向かう

    道草をしないように注意される。オオカミに行き先を知られる。

  • オオカミが先回りする

    オオカミは祖母を呑みこむ。オオカミは変装してベッドに入る。

  • 赤頭巾が祖母の家に着く

    赤頭巾は祖母がオオカミではないかと疑う。なぜそんなに耳が大きいのか、目が、手が、口がとたずねる。オオカミは赤頭巾を食う。

  • 狩人がオオカミの腹を切り開き、2人を助け出す

    オオカミは命を助けられる

  • 再び、赤頭巾が祖母の家に向かう

    赤頭巾はオオカミより先に祖母の家に着く。オオカミは屋根に上って赤頭巾が出てくるのを待つ

  • 祖母がソーセージをゆでる

    家の前に大なべを持ち出して火にかけ、湯をぐらぐら沸かしてソーセージをゆでる。オオカミは匂いに誘われて屋根から落ち、溺れ死ぬ。

「赤頭巾(イタリアの類話)」のアレンジ
  • 母親がケーキを焼こうとするが、フライパンがない

    娘に、フライパンを借りに行かせる。

  • 鬼がフライパンを貸してくれる

    鬼は娘に、ケーキとワインを持って戻ってきてと頼む。

  • 母親は鬼の分もケーキを焼く

    母親と娘たちはおいしくケーキを食べる

  • 娘がフライパンを返しに行くが、途中で鬼の分のケーキとワインをたいらげてしまう

    かわりに馬のふんと小便を入れる

  • 鬼はフライパンを受け取るが、中を見ると馬のふんが入っている

    鬼は娘に「お前の部屋はどこにある?」とたずねる。
    娘は「2階の右から3番め」と答える。
    鬼は「こんな悪さをするやつは、丸呑みにしてやる」と叫ぶ

  • 娘は逃げる

    娘は家に帰ると、鍵をかけて部屋に閉じこもって震えている。

  • 鬼が来る

    夜、家の扉が開く。階段を上ってくる音がする。2階に着くと、右から、いちばんめ、にばんめ、と部屋を数える声が聞こえる。
    さんばんめ、といって鬼がドアを開け、娘を丸呑みにする。

  • 母親が鬼に気づく

    腹を膨らませて家から出ていこうとする鬼を見つけて母親が事情を察知する。母親は鬼を呼び止め、ワインをたらふく飲ませる。鬼は眠り込む。

  • 母親は鬼の腹を切り開いて娘を助け出す

    娘は泣いて自分のしたことを母親に話す。母親は鬼を外に引きずっていって、腹に石を詰めて縫い合わせておく。

  • 鬼が目を覚ます

    鬼はワインの飲みすぎで喉が渇き、水を飲むために川に行き、落ちて溺れ死ぬ。

ひとつめのアレンジでは、オオカミはいったん命を助けられますが、最後は死にます。

私は昔話ふうのお話にしたいと思っているので、主人公の命を狙うものには、きちんと滅んでいただかないといけないのです。そしてやはりそのほうがスッキリします。聞き手である子どもとしては、不安要素が残っていると、お話がおしまいにならないんです。

ふたつめの、イタリアの類話のアレンジについて。さきほども書いた「はらぺこピエトリン」では、鬼が階段を数えながら上ってくるのですが、それと似たことをしてみました。

ピエトリンと別の話で、”オオカミにフライパンを借りてケーキを焼くが、食べてしまってケーキを入れずに返しに行き、オオカミに食われる”という話があります。この類話の前半部分はそれに似てると思いました。

昔話は、ひとかたまりの小さな話が自在にくっついていろんな物語になっています。小さな話がたくさんインプットされていれば、子どもに即興でお話を語って聞かせるようなこともできるのだと思います。昔話ってたぶん、そういう物語でもあるんだと私は思っています。

アレンジした筋書き(プロット)、どうぞ作品にお使いください

あまり上出来とは言えない再構成ですが、この筋書きを楽しんで、さらにご利用いただけたら嬉しいです。ご自身の小説やマンガなどのたたき台にしたり、またはこの筋書きをそのまま使って作品に仕上げたりなど。

私はこんなことをただ好きでやっています。筋書きというものはきちんと作品にしなければ見てもらえない。でも作品にできるのはほんの少し。作品にできなかった筋書きは私の手元だけに残ります。それってなんか寂しい。(素材が大好きな「昔話」だからそう思うのかも。)

それよりも、こうして公開することで楽しんでもらえるなら、筋書きのままでもいいんじゃないかな…。それに、作品にするのはしんどいです。元気で時間のあるときにしかできません。(いちばんの本音はここですね。笑)

筋書きなんかを公開する理由はこんな思いからです。なので、ご遠慮なくどうぞ。もし本当に作品のきっかけとして使っていただけたら幸せです。

ただ1点、筋書きを文章そっくりそのまま転載することはおやめください使っていいのは筋書きの内容だけです。どうぞご了承ください。

話型の情報

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録を参考に記事を書いているので、カタログの話型を記しておきます。

話型カテゴリ魔法昔話>超自然の敵
話型No.333
話型タイトル赤頭巾
一般的なタイトル
日本に類話は?ない

参考文献(出典)

国際昔話話型カタログ 分類と文献目録
ハンス=イェルク・ウター 著
加藤耕義 訳
小澤俊夫 日本語版監修
小澤昔ばなし研究所

他は概要をご覧ください。

まとめ

昔話の話型「赤頭巾」をご紹介し、そだひさこアレンジの筋書きも添えました。少しでもお暇つぶしになれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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