【竜退治をする男】若者が竜を退治して救った姫と結婚する

魔法昔話300【竜退治をする男】


Photo by paul morris on Unsplash

こんにちは。サイト管理人そだひさこです。

きょうは、「竜退治をする男」をご紹介します。
「せっかく竜を退治した主人公はなぜ去ってしまうのか?」とか、「戻ってきたなら早く姫のところに行きなよ!」とか、思ったものです・・・笑

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「竜退治をする男」あらすじ紹介

若者が、不思議な力をもった3匹の犬を手に入れる。
若者がある町に来ると、街中が喪に服している。

竜が年に一度乙女を生贄にすることになっており、今年は王の娘が選ばれている。
王は「娘を救った者に、褒美として娘を妻として与える」ことにしていた。

若者は竜との戦いの場所に行く。
そこには姫がいる。
姫は若者を少しの間眠らせ、自分の指輪をこっそり若者の髪に結びつける。

竜が現れると、若者は犬たちとともに竜を倒し、竜の頭を切り落とし、竜の舌を切り取る。
若者は姫に、一年たったら戻ってくると約束して、去る。

ところが、これを見ていたペテン師が姫を脅し、姫を救ったのは自分だといわせる。
ペテン師は褒美に姫を要求する。

姫は、ペテン師との結婚式を一年後にするよう父王に頼む。
そして一年後、ついに結婚式が行われようとしていた。

ちょうどそのときに、若者が戻ってくる。
事情を知った若者は犬を王のところにやり、王のテーブルから食べ物をとってこさせる。

若者は結婚祝賀会に呼び出される。
そこで若者は切り取った竜の舌を見せて、自分が龍を退治した者だと証明する。

ペテン師は死刑になり、姫は若者と結婚する。

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国際昔話話型カタログより(文章はそだひさこが書きました)。

私の読んだ話では竜退治の場面は三回ありました。
一度目は首が3つ、二度目は首が6つ、三度目は首が9つ。

それから、若者が戻ってきて犬が結婚式のごちそうを取りに行くのも三回でした。
王ではなく姫のところへ、お菓子と、焼き肉と、ワインをもらいに。

こんなことをしている間に結婚式が始まっちゃうよ!とハラハラ(いらいら?)したものです。

「ちょうどそのとき」というのは昔話ではとてもよく使われる演出です。
現実ではありえないようなことですが、堂々たる嘘話の中だからこそ、違和感なく(むしろ期待通り)楽しめるのだと思います。

【若者が竜を退治して姫と結婚するまでの道のり】の図


若者が竜を倒したあと、自らどこかへ行ってしまうのが不思議でならないです。
姫としては何か理由が欲しいところですよね。

別の話の、末弟が悪い兄たちに置き去りにされたために「いったん去る」状態になるなら仕方ないけど、、(この場合、悪い兄たちが偽主人公と同じ行動をします)。

姫の危機の、まさにちょうどそのときに自分が姿をあらわす!というカッコイイ演出のため…だとしたら、むー、昔話じゃなかったらぶん殴ってやる。ヽ(`Д´)ノプンプン

ストーリーを吹き出しで追ってみる

姫との結婚の可能性を知る

若者が旅の途中、ある町にやってくる。

若者
若者

これは…

町ではすべての人々が喪に服している。

物語で解決すべき問題が提示される

王

この町はドラゴンに呪われている。
ドラゴンが毎年生贄を求めるのだ。

王

今年は私の娘が生贄に選ばれてしまったのだ。
誰でもいい、娘を救ってくれ!

姫を救ったものを姫と結婚させるという王の宣言がなされる

王

娘を救ってくれた者を、娘の結婚相手として迎えよう!

現場へ到着する

若者は犬を連れて、ドラゴンのあらわれる場所に行った。
そこには王の娘がいた。

若者
若者

私がドラゴンを倒します。
安心してください。

姫

私を助けに来てくださったのね。
ドラゴンがあらわれるまでの間、私の話し相手になってくださいな。

若者は姫のそばに腰を下ろした。
若者はすぐに眠くなり、眠ってしまった。
姫は自分の指輪を、若者の髪にこっそり結びつけた。

ドラゴンを倒す

若者は目を覚ました。

やがてドラゴンがあらわれた。

ドラゴン
ドラゴン

ガゥオオオオオォォ!

若者
若者

えいっ!やあっ!

犬

わん!ガブッ!

若者はたちまちドラゴンを倒し、ドラゴンの首を落とした。
それから、ドラゴンの舌を切り取ってポケットに入れた。

姫は若者が自分を救ってくれたことを喜んだ。

姫

私を救ってくださったのが、あなたで嬉しいわ!

いったん去る

しかし、若者は姫に言った。

若者
若者

姫、私は、ちょうど一年たったら戻ってきます。

そして若者はどこかへ行ってしまった。

にせ主人公があらわれる

ところが。
これをペテン師が見ていた。

ペテン師はドラゴンの頭を拾い上げた。
それから姫にナイフを突きつけて脅した。

ペテン師
ペテン師

俺に殺されたくなかったら、俺を連れて城に戻れ。
そして王にこう言え。
「ドラゴンを倒したのはこの人です」とな。

ペテン師
ペテン師

言わなければ、お前だけでなく王も刺し殺してやるぞ。

姫はペテン師を連れて城に戻り、王に言った。

姫

お父様。
ドラゴンを倒したのはこの人です。

ペテン師がドラゴンの頭を差し出した。

ペテン師
ペテン師

これが、私が倒したドラゴンの頭です。

王

これはめでたい!
よくやってくれた!

王は喜び、結婚式の準備をするよう家来たちに命じた。
しかし姫は泣きながら懇願した。

姫

お父様、お願いです。
結婚式を、一年後の今日にしてください。
そうでなければ私は結婚しません。

王は姫の願いを聞き入れ、結婚式を一年後にすることにした。

戻ってくる

そしてちょうど一年後、姫とペテン師の結婚式が盛大に行われようとしていた。
そこへ、若者が戻ってきた。

若者
若者

おやおや。

若者は自分の犬を王のところに行かせる。

犬

わん!

犬を見た姫は若者が戻ってきたことを知る。

姫

さあ、このごちそうを持っておいき。
そしてはやくあの人を連れてきてちょうだい!

自分が主人公であることを証明する

結婚式がいよいよ始まるというそのとき、若者が姿をあらわした。
そしてこう言った。

若者
若者

待ってください!
姫の本当の結婚相手はこの私です!

王は若者に言った。

王

それが本当なら、それを証明してみるがよい。

若者はポケットから、切り取ったドラゴンの舌を取り出した。
そして、ドラゴンの頭を持ってこさせた。
舌はピタリと合った。

姫がさけんだ。

姫

お父様、ドラゴンを倒したのはこの人です。
私はペテン師に脅されていたのです。

姫

私の結婚相手はこの人です!

王

なんと!!

ペテン師は死刑になった。
そして、若者と姫の結婚式が盛大に行われた。

Little boy
Little boy

めでたし、めでたし。

補足など

タイトルとあらすじでは「竜」となっていますが、吹き出しでは「ドラゴン」としました。

ドラゴンは日本語で竜と訳されますが、東洋人が竜と聞いて想像するものと、西洋人がドラゴンと聞いて想像するものとは、違うものです。
東洋の竜(龍)は神のようであり、西洋のドラゴンは悪の象徴とされています。

参考↓

竜 - Wikipedia
ドラゴン - Wikipedia

それから…
姫が若者の髪に指輪を結びつけていますが、指輪が主人公の証明に使われてはいません。
これは古い時代に親しい人々がお互いの髪のしらみをとったりしていたような、親しさを表すモチーフの名残だというようなことを何かで読んだことがあります。

でももちろん指輪も証明アイテムとして使われてもいいわけで…
そうすれば「印をつけられる」という「かけら」になるのにと思います。