「かけら」を使ってストーリー(プロット)を作ろう!


Photo by Lou Levit on Unsplash

こんにちは。サイト管理人そだひさこです。
この記事では、このサイトのメインコンテンツである「昔話のかけら」の使い方についてご紹介します。

 ← かけらです

要するに、かけらをてきとうに並べ替えてストーリーの設計図を作っちゃおうってことです。
偶然うまれる組み合わせを楽しめる、パズル的な遊びです(遊びです!!)。

スポンサーリンク

各記事のかけら

このサイトの各記事(カテゴリ「昔話のまめちしき」以外)で、各話型の出来事の流れを図で表しています。

たとえば「魚泥棒」の図

この、右向きの五角形(矢印の箱)が、かけらです。
この図はひじょうにシンプル。

もうひとつ。「踊ってすり切れた靴」の図。

この話はお姫様の登場する華やかな場面がたくさんあるのですが、図は主人公である「男」を追っています。
「男」が何をしたのか、どうなったのか。

だから、図だけを見ると華やかさもないし、面白そうには思えないかもしれません。
でも主人公を追っていくことで、結末が主人公の幸せであるという「昔話のストーリー」から脱線せずにすみます。

主人公のストーリーができたら、あとは自由に脇役や舞台や小道具を決めて、好きな演出をすればいいんです。
「昔話ふうの物語」にするのなら、昔話は堂々たる嘘話ですから、何を持ってこようがそれなりに成り立つ、と思います。
実際、この「踊ってすり切れた靴」は脇役や舞台や小道具や演出が素晴らしすぎて、それを忘れられなかった私の人生を変えました。(笑)

そしてもし結末を違うものにしたいと思ったら、ご自身でかけらを作ってしまえばいいんです。

印刷して切り取れるように、PDFを準備してダウンロードページより配布しています。

昔話てきな演出いろいろ

三回くりかえしを使う

  • 三度目が成功する(三度目が物語を進める出来事になる)
  • ただリズムや面白さのために、「軽い三回くりかえし」を入れる

詳細はシンデレラの記事参照

シンデレラの心は揺れていた。【昔話の「三回くりかえし」の意味】
シンデレラが舞踏会から三回もにげかえったのには理由がある。昔話の「三回くりかえし」にはじつは大事な意味があります。そしてシンデレラには、シンデレラ特有の意味が加わります。あの行ったり来たりは、思春期の子どもの姿を表しているのだそうです。この記事ではシンデレラのあらすじ紹介から、シンデレラ特有のくりかえしの意味、昔話の三回くりかえしの一般的な意味、そして昔話というものの存在意義を解説していきます。

心理描写、情景描写はいっさいしない

通常、プロットやシナリオを作るには、登場人物の設定をかなり細かく作っていきます。
生い立ちや環境や心の中まで作り込んで人物にリアルさを出さないと、読者が感情移入できないから。

これは人物の心情を描いたときの(心理描写の)不自然さを排除するためです。
「こういう人がこういう場面でこういうふうに思うものなの?」って疑問を少しでも持ってしまったら、感情移入は難しくなるかもしれない。

でも昔話は、「むかしむかしあるところに、美しいお姫さまがおりました・・・」というふうに、時代も場所も個人も特定しない物語です。
そして昔話は、心理描写も情景描写もいっさいしないという「独特の形」を持っています。

昔話は堂々たる嘘話です。だから作り込む必要はないのです。

そう思ったら、もう本当に思う存分かけらを並び替えて、遊び半分でいくつもおかしなアイデアを作れます。
現実世界を忘れて空想の世界に飛んでいってください。

心理描写のかわりに、出来事で表現するのやりすぎ例

昔話は心の中を目に見える出来事で表現するものですが、「もしかしたら?」と思ったことがあるので・・・。

シンデレラの心情が、登場人物で表現されているとしたら

シンデレラの重要な登場人物である継母と継姉たち。
この人物までもが、シンデレラの心情を表現するために用意されたものだとしたら。

いや、けっこう本気で思っています・・・(笑)

基本的な流れ(五角形の部分)はそのままで、その他の人物・小道具・エピソードなどはどうにでもなる(?)と思うのです。
そしてその、人物や小道具やエピソードこそが物語を印象づけるものになるのです。

ペローのシンデレラが爆発的にヒットしたのと同じく。

登場人物は着ぐるみなので、誰にでも入れ替え可能(ほとんどの場合)

昔話の登場人物は、たとえ「王様」だとしても、「王様」という名前でお城にいるだけで、公務で忙しいということはありません。
普段、何をしているんでしょう(笑)

そして、「王様」なのに、一人でフラフラどこかへ出かけたりします。
お忍びでもなく、警備の人をつけるわけでもなく。
そしてお城でそのことに誰も気づかなかったりもします。

まるで普通の人です。

そう、昔話の登場人物は「リアルな背景」を持っていないのです。
聞き手(読者)の想像を膨らませるための、美しかったり、極端だったりするものが登場人物やアイテムとして使われているのです。

だから、たとえばさっきの「踊ってすり切れた靴」の主人公「さえない男」が「王子」であっても、たいした違和感はないと思います。

昔話の登場人物は、たとえば「主人公」というたましい(?)が、「王様」や「王子」や「さえない男」などのキグルミを着ているのだと考えると、わかりやすくなると思います。

アイテム選びが勝負

これ、さっきの登場人物と同じ考え方です。

「美しいドレスをくるみの殻にしまっておく」という場面があります。
ひじょうに幻想的な美しい場面ですが、くるみの殻にドレスを収納するのは現実では不可能です。
これも、ドレスをしまっておくクローゼットなりバッグなりが、くるみの殻に置き換えられているのだと思います。

「ドレスを収納するもの」のたましい(?)が、くるみの殻のキグルミを着ている・・・。

ちょっと、変な表現ですが。

だけど、昔話は堂々たる嘘話です。
夢のようなふしぎで美しい場面を想像させるために、現実は忘れて、たましい(?)にキグルミを着せましょう!

場面はいつも一対一、一本の筋を追っていく

昔話は「耳で聞く話」なので、聞いていてわかりやすいように、いつも一対一の場面です。
そして話の筋は、すっと一本です。

主人公のストーリーの途中で別の人のストーリーが割り込んで別の方向へ行ったりすると、聞いていて混乱したり、気が散ったりするリスクがあります。
だから、ストーリーは「主人公が迎える結末」に向かうための出来事のみを、まっすぐに語ります。

そして、場面はいつも、主人公と誰か、あるいは誰か一人と誰か一人。
複数人いるとしても、会話をしているのは一人と一人です。
聞いている人を混乱させないための、昔話の「独特の形」です。

最後はハッピーエンド

昔話の結末は、主人公の幸せです。
世界中の昔話のほとんどが、主人公の幸せで終わります。

結末が決まっているので、途中でどんなに羽目を外しても大丈夫!
途中で大冒険ができます(笑)

まとめ

昔話は「作りやすい形」をしていると私は思っています。
新しい昔話というのはありえないことですが、「昔話の形をした、新しい物語」はどんどん生まれてよいと思います。

作りやすいの理由は、人物や背景を作り込まなくてよいこと。

よって、細かいつじつまをあわせる必要もないし、人物を変えるのも容易だし、話のパターンもあるていど決まっているし(最後はハッピーエンドだから、そこに向かって物語を進ませればいい)。

かけらを並べて作った設計図を、昔話の形をした物語にしてもいいし、これを発想のきっかけにして普通に人物や背景を作り込んで小説や漫画にしてもいいし。

通常のプロットを作るのには、通常は色々考えなければならないことが多くて(多すぎて)大変だと思います。
ものすごく頭も使います。
疲れます。

だったらそのひとつ前の段階で、遊び半分でかけらを並べて、いろんなアイデアのプロットを試して楽しんでもいいよね?

私が使いたくて考え出した「かけら」ですが、もしも、私以外の誰かのお役にたてたら、本当にうれしい限りです。