【悪魔の罠】貧困から救ってもらうために、悪魔に子どもをやると約束する

宗教的昔話810【悪魔の罠】


Photo by Steven Van Loy on Unsplash

こんにちは。サイト管理人そだひさこです。

きょうは、「悪魔の罠」をご紹介します。

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「悪魔の罠」あらすじ紹介

貧しくてもうどうしようもないという男の前に、悪魔があらわれる。
悪魔は「これから生まれてくる子どもをくれるなら、金持ちにしてやる」と持ちかける。

悪魔と約束をして家に帰った男は、妻が身ごもっていることを知る。

数年後そのときがくると、子どもは神聖な場所に行き、魔法の円の中で聖書を読んでいる。
悪魔は子どもを円の外に連れ出すことができず、あきらめる。

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国際昔話話型カタログより(文章はそだひさこが書きました)。

私はこれを、リオンブルーノというイタリアの昔話の一部分として読みました。

子どもは浜辺で神聖な円の中で十字架をにぎってお祈りをしている。
そして悪魔が去った後、タカ姫が飛んできて子どもを連れていき、自分の夫にする。
でもそのあと夫が自分との約束を破ったのでタカ姫は怒って姿を隠してしまう…

イタリアの昔話は印象的な物語が多かったように思います。

【悪魔に約束を諦めさせるまでの道のり】の図


つまらない図ですみません・・・
これで正解なのかどうかもわかりませんが。

たいていはこのあと、一人になった子どもが主人公として物語がはじまる…のだと思うので、主人公をまず一人にする(出発する、孤独にする)ための前置きのエピソードなのだと思います。

ストーリーを吹き出しで追ってみる

貧しくてどうしようもない男がいた。

貧しい男
貧しい男

ああ、今日も少しも稼げない。
これでは家族そろって飢え死にするしかない!

男の前に突然悪魔があらわれた。

悪魔
悪魔

そんなに困っているなら、助けてやろう。

貧しい男
貧しい男

ふん、いったいどうやって。

悪魔
悪魔

おまえのところにこれから生まれてくる子どもが7歳になったら、俺にくれると約束するんだ。
そうすれば毎日たっぷり稼がせてやるよ。

貧しい男
貧しい男

・・・

うちにはもう子どもはたくさんいる。
これ以上こどもが生まれるなんてことはないだろう。

だったら、約束しても大丈夫だよな。

悪魔
悪魔

どうする?

貧しい男
貧しい男

あ、ああ、約束するよ。
でももし子どもがうまれなかったら、ほかのどの子もやらないぞ。

悪魔
悪魔

もちろん、いいとも。

男が約束すると、悪魔は消えた。
男はすぐにたっぷりかせげるようになった。

男が喜んで家に帰ると、出迎えた妻が言った。

貧しい男の妻
貧しい男の妻

ねえ、私また子どもができたのよ!

男は自分のしたことを後悔した。

やがて子どもは7歳の誕生日を迎える。

男は子どもを浜辺につれてきて、子どものまわりに円をかく。
子どもは円の中に座って聖書を読んでいる。

悪魔があらわれた。
しかし悪魔は円の中に入れない。

悪魔
悪魔

おい、子ども。その円から出て、私と一緒に来るんだ。

子ども
子ども

いやだよ。
この円の中で聖書を読んでいろっていう父の言いつけだから。

悪魔
悪魔

その父が私にお前をくれると言ったんだ。
聖書を捨てて出てくるんだ。

子ども
子ども

いやだよ。

悪魔
悪魔

出て来い。

子ども
子ども

いやだよ。

長い時間がたった。
悪魔はついにあきらめて消えた。

Little boy
Little boy

めでたし、めでたし。

補足など

貧しさから救ってもらうかわりに子どもをさしだすというモチーフはたくさんあります。
さしだす相手もいろいろで、地面の穴の中に住んでいる男(本当は魔法をかけられている王子)のこともあります。

この話型のカテゴリは「宗教的昔話」なので、神様のご加護をあらわしている話なのだと思います。
いっとき悪いことを考えても、救われる道は残されているとか。
なので図はちょっと的外れなのかもしれません。すみません。

貧しいということは昔話には欠かせない要素です。そして、昔話の結末に欠かせない要素のひとつが「富の獲得」です。
貧しいということが人間にとってどれほどに大きな悩みであるかを感じます。

私の人生も貧しさの連続です。
私の結末はどうなるのか知りたい…